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営業担当者生産性向上

図1;営業担当者の位置づけ

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解説

ナレッジワーカーである営業担当者の業務を弊社では大きく3種類に分類します。
 

  1. TPM(total productivity monitoring;思考業務)

  2. OPM(operational productivity monitoring;処理業務)

  3. Others(管理業務)
     

時間という経営資源の計画管理が難しい営業担当者の業務ですが、ナレッジワーカーであるならば、TPMとOPMの業務に対して時間を計画管理することが期待されます。なぜなら、これら二つの業務はセルフマネジメント業務であるからです。特に管理職はOPMの効率性向上よりも、TPMの効果性向上(品質マネジメント)に注意を払うことが期待されます。


この二つの業務の生産性が高いからこそ、不確実性の高いOthersの業務の効果も向上することに期待できるものと考えます。

化学J社

営業担当者をマネジメントできている状態とはどんな状態が望ましいのか? これまでシステム導入なども積極的に行ってきたが、売上という最終目標数字が向上することは望みたいものの、確実性の高い目標必達のためには、マネジメントという手法が重要だと思っているが、どうも科学的なマネジメントになっているような雰囲気が感じられない。


測る化というキーワードに強い関心を寄せた。
 

  • 担当者;営業部門統括執行役員

  • 売上規模;約1,200億

提案&実績

営業担当者をナレッジワーカーと定義した場合、優先順位の高い業務はTPMになります。しかし、「OPM・Othersの業務は何ですか?」という問いに対しては担当者各位はほぼ同じ回答をしたものの、「TPMの業務は何ですか?」と問うと、「TPMが自社に存在していない場合」、「TPMが存在していたとしても各担当者で業務内容が異なる場合」、などのパターンが散見されました。更に、管理職の「TPM業務」を問いださしたところ、担当者と同様な回答であった。


OPMやOthersの業務だけでは、競争劣位を解消することはできても競争優位を創造することには期待ができません。つまり、現状維持は期待できても成長は期待できないことになります。

図2;投入時間の変化云々ではなく、投入時間の業務内容を見ているか

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この化学J社(business to business)では、過去に「システム導入を図って業務改革を行ってきた」経緯がありました。しかし、最終目標数値である売上目標達成に向けた過程のマネジメントがグレーゾーンであることが気になっておられたようです。
 

そこで、弊社の業務分類方法で当時の「システム導入改革」を実施した状況を調査すると、「パターンB」のような結果が見えて来ました。顧客訪問時間が増加したことによって営業担当者が本業に時間を投入できているからこそ売上向上に連動していると思いたいところですが、実際はそうではありませんでした。つまり、顧客訪問時間をまとまって確保できたとしても、「訪問内容」が疎かになっていたようです。その観察結果が「パターンB」でも表れていますが、この会社における「思考業務」はほぼ皆無でした。この「思考業務」こそがTPMに該当します。


そこで、human performance & productivity technology modelに沿って、まず収益性可能性分析内における受注活動成否分析を実施した結果、全失注状況の内、管理可能な要因である「金額」と「提供サービス」に関するウェートが45%に上ることがわかりました。つまり、顧客への提案書内容が顧客オリジナルとは到底言い難い内容であったということです。そこでTPMのテーマを「提案書作成」とし、これをレベル設定(レベル1~5)した上で管理職によるレベル管理を徹底し、提案先顧客と提案書成果レベルを厳格に管理した結果が「パターンA」です。


「パターンA」は結果に過ぎませんが、この結果に行きついた際のTPIの変化は下記の通りです。

図3;TPI;total performance index

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更に、このTPIの変化に伴って変化してきた売上進捗状況は下記の通りです。

図4;生産性164%向上

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(注意;営業組織人件費の総額は実際には変化しておらず、機会利益分(=補助機能の低減)を差し引いて算出。売上は会社全体の売上を使用)
 

売上は外部要因が影響するのでTPIの生産性向上がそのまま比例して売上向上につながるわけではありませんが、一方で内部努力なくして売上向上の不確実性をマネジメントすることはできません。


弊社では、アンカー的存在である営業担当者が自社の競争優位性につながるべくTPMを収益性向上の視点で構築し、計画管理の確実性が高いTPMとOPM(=TPI)の生産性を向上させる仕組みと測定技術を御提供させていただいております。このTPMやOPMこそが、本来のKPIと言えます。

参考書籍

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